京都宇治茶とは、主に京都府で生産されるお茶のことです。
荒茶生産量では毎年全国5位以内、抹茶や玉露など覆い茶の生産量はトップクラスに入ります。
静岡茶、狭山茶と並ぶ日本の三大銘茶に数えられる宇治茶は、全国的に知名度が高く、観光客人気も根強いです。
ブランドも多く有しており、高級茶のイメージが強いことから、海外需要も高いです。
京都府の山城地域は宇治茶のPRを積極的に行っており、宇治市を中心とした「宇治茶カフェ認定店」にて、日本茶の普及に努めています。
宇治茶の定義
宇治茶はその定義が明確に決められていることが、他の日本茶と大きく違う点となります。
以下、宇治茶の定義です。
宇治茶は、歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で、京都府内業者が府内で仕上加工したものである。
ただし、京都府産を優先するものとする。
※引用:公益社団法人京都府茶業会議所|宇治茶について
つまり、宇治茶は、必ずしも宇治産というわけではないのです。
ちなみに、宇治茶の定義にある宇治製法とは、新芽のみを蒸して乾燥させ、揉んで仕上げる製法のことです。
京都宇治茶が育つ環境
お茶栽培に適した気候というのは、年間平均気温が14~16℃、年間雨量が1500㎜程度あることをいいます。
この気候は宇治茶の産地とぴったり一致しているのです。
また、おいしいお茶が育つ条件として、水や豊富な栄養を含んだ土が必要です。
宇治茶の産地には宇治川などの川が流れているため、水分には申し分なく、土質にも優れています。
さらに、傾斜が多い地形が昼夜の気温差を生み、お茶栽培に有利となる「霧」の発生も多いです。
京都宇治茶は鎌倉時代が起源
宇治茶の歴史の始まりは、鎌倉時代といわれています。
宋(中国)から帰省した僧の栄西が、日本でお茶の習慣を広め、明恵上人が京都の栂尾や宇治に茶種を蒔いたのがきっかけです。
宇治茶の名前が世に現れたのは、江戸時代に入ってからでした。
伝統的な宇治製法により、煎茶や玉露が生産されるようになり、全国に広まっていきました。
現在では、宇治市を中心に小中学校での宇治茶教育が推進されています。
宇治市内の小学校には、お茶が出る蛇口が設置されているんだとか。
京都宇治和茶の主な品種(ブランド)
京都宇治茶においては、蒸し時間が短い浅蒸し煎茶が主流となっています。
透き通るような明るい水色、爽やかな香り、甘みやうま味が効いた味わいが特徴的です。
奈良大和茶の主な品種(ブランド)
あさひ(碾茶) さみどり(碾茶) うじひかり(碾茶) てんみょう(碾茶)
ごこう(玉露) うじみどり(玉露) 鳳春(玉露)