Nara-Yamato Cha map image

奈良県で生産されるお茶を総称して奈良大和茶(ならやまとちゃ)と呼びます。
主に奈良市東部、大和高原の北部に位置する月ヶ瀬、田原、柳生、都祁の4つのエリアで盛んに栽培されています。

冷涼な気候を生かし、時間をかけてゆっくりお茶を育てられた奈良大和茶は、とても香り高くうま味や甘みのある濃厚な味わいが特徴的です。

近年、海外需要が高まっている日本茶を、安全かつ確実に各国へ届けるため、GAP(農業生産工程管理)の認証取得が推進されています。

おいしいお茶が育つ理想的な環境

お茶の栽培適地は、年間平均気温が14~16℃、冬の最低気温がマイナス5~6℃以内であることが条件です。

奈良県の例年の平均気温は15℃程度。冬は氷点下になる所があるものの、マイナス5℃以内に収まることがほとんどです。
つまり、奈良の気候はおいしい日本茶をつくるのに最適といえるのです。

また、朝晩の寒暖差が大きく、降水量も必要十分。ミネラルを多く含む土壌が健康な茶葉を育てます。
滋味豊か(栄養があり味がいい)なお茶と称されることも多いです。

奈良大和茶の歴史が始まったのは西暦806年

奈良大和茶の歴史が始まったのは、西暦806年(大同元年)のことです。
真言宗の開祖・弘法大師が、高弟である堅恵(けんね)と共に唐から茶の種子を持ち帰り、仏隆寺(奈良県宇陀市)に蒔いたのが最初の出来事といわれています。

鎌倉時代に入ると、臨済宗の僧・栄西が日本で茶の普及を行い、喫茶の習慣を広めました。
当時、茶園を有していた西大寺で、僧の叡尊(えいそん)が大きな茶碗でお茶を人々に振る舞ったと伝えられています。
叡尊の振る舞いを由来とする伝統行事「大茶盛」が、毎年2回(春と秋)開催されています。

奈良県で唯一の県育成品種「やまとみどり」

奈良大和茶の一つに、奈良県の在来種をもとに育成された唯一の品種「やまとみどり」があります。

1953年に品種登録が行われましたが、生育に極めて時間がかかり、生産性が低いことからあまり流通していません。
逆にいえば、日本茶の中でも希少性の高いお茶といえます。

やまとみどりは美しい深緑色の茶葉、濃厚なうま味が特徴的。
被覆栽培をしなくとも玉露に似た特徴をもつことから、「天然玉露」とも呼ばれています。

奈良大和茶の主な品種(ブランド)

奈良大和茶は、奈良県の北西部にある大和高原地域を中心に生産されています。
主な産地は奈良市、山添村、宇陀市、大淀町、東吉野村です。

同じ奈良大和茶でも、産地によって表示が異なる場合がありますが、基本的には「大和茶」で統一されています。

奈良大和茶の主な品種(ブランド)
やまとみどり  やぶきた  おくみどり  めいりょく