宮崎県で生産されるお茶を総称して宮崎茶(みやざき茶)と呼びます。
お茶の名産地である宮崎県の荒茶生産量は全国4位、茶園面積は全国6位。
主な生産地は高千穂・五ヶ瀬、都城、串間、川南ですが、県内全域にわたります。
種類別では、煎茶や蒸し玉緑茶が多く生産されています。
一部地域で碾茶も栽培されており、主に西北山間地域で栽培される釜炒り茶は全国一の生産量を誇ります。
海外で日本茶が注目されていることもあり、有機栽培を取り入れたお茶の輸出にも意欲的です。
緑の若々しい香りや濃厚な味わいが特徴的な宮崎茶は、質の高さに定評があります。
おいしいお茶を育てる良好な環境
「太陽とみどり」がシンボルの宮崎県は、お茶の栽培に適した条件が揃っています。
・年間の平均気温が高い(約17℃)
・適度な降水量で土が水を含みやすい
・土地が良く肥えていて養分が供給されやすい
・山が多く日照時間が短い
・山の影響で霧が発生しやすい
日照時間の短さなどは、一見お茶づくりに不利に思えますが、甘みやうま味を引き出すには重要な条件なんです。
県西部には九州山地や霧島連山など山間部が多く存在するため、じっくりお茶を育てるのに理想的な環境といえます。
宮崎茶の歴史は1600年頃から始まる
宮崎県では古くから釜炒り茶の栽培がおこなわれていました。
記録上の歴史は1600年頃から始まっており、朝鮮から熊本を経て伝わったとされています。
1751年には、都城島津(みやこのじょうしまづ)藩家士・池田貞記が京都の山城宇治で茶の製法を学び、藩内に広めました。
この時取得した煎茶の製法をもとに、1757年に当時の桃園天皇にお茶をふるまったといわれています。
全国でも珍しい宮崎の釜炒り茶
お茶の名産地が多く点在する日本でも、釜炒り茶を選産する茶園は多くありません。
日本で生産される緑茶の1%にも満たない基調価値の高いお茶です。
釜炒り茶とは、高温の大釜で茶葉を炒り、茶葉を揉んで茎と葉の水分バランスを整え、勾玉(まがたま)の形に仕上げたお茶のことです。
特有の爽やかな釜香(かまこう)や澄んだ黄金色の水色、すっきりした味わいが特徴的です。
宮崎茶の主な品種(ブランド)
宮崎県で生産されている日本茶を種類別にみると、煎茶や番茶が全体の9割以上を占めています。
一方、全国一の生産量を誇る釜炒り茶は全体の3%。宮崎県の釜炒り茶がいかに希少なものか分かりますね。
宮崎茶の主な品種(ブランド)
はると34 きらり31 暖心37 はるのなごり