かごしま茶とは、鹿児島県で生産されるお茶のことです。
九州本土の南に位置する鹿児島県は、平均気温17~18℃。年間を通して暖かく、降水量や日射量の多い気候が特徴的です。
他県では初夏の頃からお茶栽培がおこなわれますが、鹿児島では南国特有の温暖な気候を生かし、3月の終わりごろからスタートします。
日本一早い鹿児島の新茶は、「走り新茶」の愛称で親しまれています。
「日本茶といえば鹿児島」の時代到来
長い間、日本茶=静岡県のイメージが根付いていましたが、最近では静岡と鹿児島がトップを争う状況です。
そのきっかけになったのが、2019年にお茶の産出額で鹿児島県が初めて1位になった出来事。50年間首位だった静岡を鹿児島が上回ったのです。
令和4年の荒茶生産量は26,700トンで全国シェアの約3割を占めます。
県内の多くの茶園で機械化が進んでおり、その導入面積はなんと全体の98%。
三番茶以降の生産も盛んです。
近年、安全性や健康面の観点から、化学合成された肥料や農薬や遺伝子組み換え技術を使わない有機栽培が注目されています。
鹿児島県はお茶の生産量が多いだけでなく、有機栽培面積も全国トップクラスです。
かごしま茶の歴史は諸説ある
かごしま茶の歴史には諸説あり、その発祥について2つの有力な説があります。
①鎌倉時代、平家の落人が知覧町の山間部にある手蓑(てみの)で茶栽培を始めたという説。
知覧茶の発祥ともいわれます。
②足利時代、宇治から取り寄せたお茶の種子を吉松町の般若寺で蒔いたのが始まりという説。
いずれにせよ、かごしま茶が本格的に栽培されるようになったのは、第二次世界大戦後のことです。
かごしま茶で知名度が高いのは知覧茶
かごしま茶のブランドでももっとも知名度が高いのは、南九州市で栽培される「知覧茶」です。
鮮やかな若緑の水色、爽やかな香りと濃厚なうま味が特徴的なお茶で、全国茶品評会などでもたびたび受賞しています。
口あたりが大変良いため幅広い世代に人気があり、若い人からの評価も高いです。
かごしま茶の主な品種(ブランド)
鹿児島では、温暖な気候を生かし、早生品種から晩生品種まで摘採時期の違う品種が生産されています。
南国の太陽光をたっぷりと浴びた茶葉は、日本茶ならではの渋みをしっかりと蓄えています。
茶葉や水色は濃い緑が美しく、奥行きのある味わいが特徴的です。
かごしま茶の主な品種(ブランド)
知覧茶(知覧、頴娃、川辺)
枕崎茶(枕崎)
種子島茶(種子島)
まつもと茶(松元)
さつま茶、宮之城茶(さつま)
財部茶、曽於茶(財部)
志布志茶、有明茶(志布志)