三重茶(みえちゃ)とは、三重県で生産されるお茶のことです。
年間の平均気温が14~15℃という、茶栽培に適した穏やかな気候が三重県の強み。
北西に鈴鹿山脈や台高山脈、東南に伊勢湾や太平洋を臨むことができるなど、豊かな自然にも恵まれています。
茶葉が健康に育つため、葉肉が厚く、3煎目までしっかりと楽しむことができるのも三重茶の特徴です。
県内全域が三重茶の産地となっていますが、北部ではかぶせ茶、南部では深蒸し煎茶が多く生産されています。
かぶせ茶の生産量が全国一位
三重県は、全国の荒茶生産量の3分の1を占める日本茶の産地で、中でも北部で生産されるかぶせ茶の生産量は全国一位です。
かぶせ茶は、茶葉を摘む2週間ほど前から茶畑を藁や寒冷紗などで覆って生育させたお茶です。玉露や碾茶なども同じ方法で栽培されます。
玉露や碾茶は20日以上茶畑を覆うのに対し、かぶせ茶は一週間程度と期間が短いです。
煎茶と玉露の中間的なお茶と言われており、渋みや苦みや少なく、まろやかな味わいが特徴的です。
かぶせ茶にはアミノ酸の一種「テアニン」が豊富に含まれています。
テアニンは日本茶特有の甘みやうま味のもとになる成分で、心を落ち着かせる効果があります。
かぶせ茶を飲むとほっこりするというのは、テアニンの作用によるものと考えられます。
三重茶の歴史は1000年以上
旧伊勢国である三重県で生産されたお茶は、「伊勢茶」とも呼ばれています。
三重茶は、2007年に「伊勢茶」の名称で特許庁の地域ブランドに認定登録されました。
三重茶の始まりは西暦900年初頭、現在の四日市市水沢町にある一乗寺でチャノキが栽培されていたという記録が残っています。
1800年代に入ると、常願寺の住職である中川教宏が産業としてお茶の栽培を薦めます。
それを機に、江戸時代の終わりごろから茶栽培が盛んになりました。
三重茶の主な品種(ブランド)
三重県で栽培されている日本茶の種類は、主にかぶせ茶や深蒸し煎茶です。
産地ごとにさまざまなブランドがありますが、中でも四日市の水沢地区で栽培される水沢茶が有名です。
弘法大師・空海からの教えで、中川教宏が冠山茶ノ木原で茶栽培を始めたのが水沢茶のはじまり。
三重茶の歴史に深く関わるお茶で、現在生産されている三重茶の原点が水沢茶だといわれています。
三重茶の主な品種(ブランド)
伊勢茶(全域)
伊賀茶(伊賀市)
水沢茶(四日市市)
度会茶(度会町)
鈴鹿茶(鈴鹿市)
亀山茶(亀山市)
飯南茶(飯南町)
大台茶(大台町)