皆さんは「日本茶」と聞くと、どの種類のお茶が頭に浮かびますか?
日本茶と一言で言っても、その種類の数は多く、代表的なもので7種類に分けられます。
7種類をさらに産地などで分けたものが品種と呼ばれるものです。
実は、日本茶には120種類以上の品種があるんですよ。
日本茶は種類によって個性がある
日本茶はどの種類も同じチャノキから作られており、発酵過程を経ない不発酵茶に分類されます。
「原料が同じなら、見た目や香り、味も全部同じじゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
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しかし実際には、日本茶は種類によって茶葉の色や香り、味に個性がありどれも同じではありません。
日本茶本来の渋みや苦みがしっかり味わえるものから、甘みを感じるもの、うま味が強調されたものまでさまざまです。
日本茶の種類や特徴を知っておくと、好みの品種を見つけやすくなります。
日本茶の種類と特徴
日本茶の代表的な7種類とその特徴、主な産地をご紹介します。
煎茶(せんちゃ)
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日本のトップシェアを占める日本茶です。日光をたっぷりと浴びて育った新芽を、蒸して揉み、乾燥させる製法で作られます。適度な渋みと爽やかな香りが特徴的。
甘みやうま味が強いため、日本茶を初めて飲む方にも飲みやすく、お子様にもおすすめです。
全国で生産されていますが、特に生産量が多いのは静岡県、鹿児島県、宮崎県です。
玉露(ぎょくろ)
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新芽が伸び始めた頃に、茶葉に藁などをかけて覆い、20日程度日光を遮って育てられます。
製法は煎茶と同じですが、一番茶のみを使って作られるのが特徴的です。
渋みや苦みが穏やかな反面、甘みやうま味が強調された味わいになります。
被覆栽培で作られた日本茶特有の、青のりのような香ばしさ(覆い香といいます)を感じられます。
主な産地は京都府、三重県、福岡県です。
かぶせ茶(かぶせちゃ)
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新芽が伸び始めた頃に、茶葉に藁などをかけて覆い、1週間程度日光を遮って育てられます。
玉露よりも被覆栽培を行う期間が短いため、煎茶と玉露の特徴を兼ね備えたお茶といわれています。渋み・苦み・甘み・うま味のバランスが取れたお茶です。
主な産地は三重県、奈良県、福岡県です。
ほうじ茶(ほうじちゃ)
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ほうじ茶とは、茶葉を焙じた茶です。独特の香ばしさがあり、苦みや渋みはほとんどなく、 口当たりはあっさりしています。遠赤外線で焙煎するとより香ばしさが引き立ちます。
碾茶(てんちゃ)
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玉露と同じように被覆栽培した茶葉を蒸し、揉まずに乾燥させて製造されます。抹茶の原料になるため、茎や葉脈などが取り除かれます。渋みや苦みが穏やか、強調されたうま味と覆い香が特徴的です。
主な産地は鹿児島県、京都府、静岡県です。
玉緑茶(たまりょくちゃ)
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製法は煎茶とほぼ同じですが、煎茶のような形を整える工程(精揉)を経ずに製造されます。茶葉の形が丸みを帯びていることから、「ムシグリ」「ぐり茶」という愛称で呼ばれています。
渋みや苦みが穏やか、さっぱりとして口あたりが良いのが特徴的です。
主な産地は佐賀県、長崎県、熊本県です。
抹茶(まっちゃ)
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碾茶を石臼などで粉末状にしたものです。日本茶の中でも希少価値が高く、海外でも人気があります。茶道で用いられるほか、お菓子の材料にも使用されます。